ペ・ドゥナを見るのが楽しみでした。『ほえる犬は噛まない』での圧倒的な存在感に一瞬で虜に!山下敦弘監督が惚れ込んで起用したという『リンダ リンダ リンダ』や、アクションやコメディセンスもあることを証明した『グエムル 漢江の怪物』でもそうでしたが、いつも眉間にシワを寄せて苛立っているような困っているような顔が印象的、正義感の強い役を凛々しく愛らしく、控えめだけど情熱的に演じる女優です。
本作は、2017年に韓国で起きた事件の映画化。実習先の企業の過酷な労働条件の犠牲になった女子高生の実話で、観てて、とてもつらくて苦しくなります。
それでも、実際の事件を忠実に再現する前半と、実在のジャーナリストをモデルにした架空の女性刑事を登場させ、事件の本質に迫る後半の2部構成仕立てが素晴らしく、引き込まれます。そして、やはり何と言ってもペ・ドゥナ。あるシーンでの、大粒の涙を流す泣き顔が目に焼き付きました。彼女の演技を見れた嬉しさに浸りながら映画館を出ました。