テキサス州とカリフォルニア州の同盟勢力と政府軍の間での米内戦が勃発。激しい武力衝突が起きる中、4人のジャーナリストたちが大統領にインタビューするため戦場となったホワイトハウスへと向かいます。
あー、やっぱり!というのが観終わった直後の感想。
アレックス・ガーランドの作品は幕切れが唐突、突然ブツッと映画が終わるという印象があります。その後について想像することをシャットアウトされる。だから余計頭から離れなくなる。本作もまさにそんな映画でした。
頭から離れなくなるような題材の映画を毎回観せてくれる映画作家なのです。『ザ・ビーチ』(原作)はディストピアもの、『28日後…』(脚本)はゾンビものとして強く印象に残ったし、クローン人間が主人公のカズオイシグロ小説の映画化『わたしを離さないで』(脚本)を経ての監督デビュー作『エクス・マキナ』は、人間とAIの主従関係を美しくスリリングに描いた大好きな映画。『アナイアレイション_-全滅領域-』も後を引きました。
本作は、現実と創造の境界を見失う恐ろしさを絶えず感じながら観ましたが、後から一番思い出すのは、ジャーナリストとしての価値観を見失ったリーと、何かが乗り移ったように高揚してシャッターを押し続けるジェシーの表情。ベテランと新米、彼女たちが象徴するものは何かをずっと考えさせられました。感情が崩壊するふたりを演じたキルスティン・ダンストとケイリー・スピーニーが素晴らしかったです!
(2024年/アメリカ・イギリス/監督:アレックス・ガーランド)