クエンティン・タランティーノ、監督デビュー作。宝石店襲撃に失敗した強盗たちが失敗の原因を探り合う過程を、二転三転するストーリーで描き出す映画です。
冒頭7分間の“無駄話”シーン、ブラック・スーツ+タイ+サングラスの男たちが闊歩するオープニングロール、コードネームが付けられ、互いの名も素性も知らない設定、その中の主要3人のチーム加入のいきさつが語られるシーン、そのシーン挿入のタイミング、セリフまわし、音楽、もう、全てがクール!見せない美学。見せ方の美学。シビれます。
あまりにもアクの強い俳優陣の中で、当時は印象が薄かったティム・ロスが、こんなに凄かったなんて。目の動きの演技が凄い。彼こそがMr.オレンジ!
観に行く前日に、当時この映画を全力で薦めてくれた先輩と何と約30年ぶりに再会する機会が訪れたんです。尽きない映画談義。変わらず私の映画の師匠のひとりでした。
そして観た翌日には、映画を語り合うお仲間と本作の感想交換。映画では明かされないMr.ホワイトの過去を推測したというご感想に目から鱗!なるほど!そうであれば、あの時のあの行動が理解できる!
その後突然、初めてLAに旅行した時に、タランティーノが昔働いていたマンハッタンビーチのレンタルビデオ店を探しに行ったことを思い出しました。すっかり忘れていましたが、私、相当タランティーノ好きだったんですね。
今は、映画のラスト、最後の銃弾が誰が誰を撃った音だったのかを語り合いたくて仕方ありません。どなたか相手になっていただけませんか?