ブラピのスタントダブルなど20年スタントマンとして活躍後『ジョン・ウィック』で監督デビュー、『ワイスピ』シリーズなどを手掛けたデヴィッド・リーチが、スタントマンが主役のアクション映画を監督。だから、スタントシーンも、スタント業界の精神も、スタントマンたちへの称賛も全て“本物”です!
パンフレット掲載の日本人スタントマン浅谷康さん(本作に参加)のインタビューを読んで本作の魅力を再発見。例えば、シナリオに書かれたシーン番号を使わず、立ち回りを覚えやすいように映画名で呼び合うのはスタントあるある……本作も、“ポリス・ストーリー”“ダイ・ハード”“ジェイソン・ボーン”など映画名が飛び交うのが面白いんです。また、脚本に“回転数の世界記録を塗り替える”という設定が書かれていたキャノンロール(車やバイクを横転させるスタント。回転を起こすためにキャノン砲を使用)のシーンでは、実際の撮影で8.5回転しギネス記録を大きく更新したとのこと。カッコいい!
映画スター失踪事件が絡むサスペンス要素や、ユーモアも満載。私は、ライアン・ゴズリング演じるコルトとエミリー・ブラント演じるジョディ、ふたりの主演が魅せてくれるロマンスが好きでした。ジョディの念願の監督デビュー作の製作続行が危ぶまれた時の、コルトのセリフ「君は特別なものを持っている。だから、世界中の未来のジョディのためにも映画を完成させなきゃいけないんだ」が素敵。今、映画制作に情熱を注いでいる若者たち全員に届いてほしい名セリフです。
(2024年/アメリカ/監督:デヴィッド・リーチ)