インドに残るカースト制度、その中でも最底辺といわれるダリトの女性たちが立ち上げた新聞社で、地域社会の現実を果敢に取材する記者たちのドキュメンタリーです。創刊は2002年ですが、デジタルメディアへの挑戦を試みる数年前から本作は始まり、慣れない動画操作に苦労しながら、やがては、違法労働の現場や地方選挙などジャーナリズムの最前線にスマートフォンを片手に堂々と分け入っていく彼女たちのなんて格好いいことか!
頼りになるリーダー、意欲の塊のメイン記者、愛すべきダメ新人など見事なキャラクターバランスも本作の面白さ。そして、自分の運の良さをわかっている彼女たちひとりひとりの、正義感に熱い以上に、この仕事ができて嬉しい、幸せという気持ちに溢れているところに魅了されました。インドのドキュメンタリーは初めて観ましたが、『あなたの名前を呼べたなら』『巡り合わせのお弁当』など凛として素晴らしい女性が登場する大好きなインド映画がいくつもあることも思い出しました。