HUMAX CINEMA × 東京工科大学メディア学部 共同プロジェクトによる特集上映【青春~私たちが知りたい、みんなの青春のかたち~】の最終日に観に行ってきました。
2016年公開作。80年代の大不況にあえぐダブリンを舞台に、15歳のバンド少年コナーの恋と友情と未来を描いたこの映画が、『ルーム』『エクス・マキナ』『この世界の片隅に』『シン・ゴジラ』などを抑え同年断トツのマイベストシネマでした。
コナーの兄がとてもいいんです。大学をドロップアウトし社会からも背を向けた兄ですが、コナーにとっては音楽と人生の師匠。「ロックは覚悟だ」「想像力を鍛えろ」「彼女のために“悲しみの喜び”の意味を考えるんだ」。兄の言葉の全てがコナーを成長させます。
バンドメンバーの中でも飛び抜けて才能があるエイモン。コナーが書いた歌詞にエイモンが曲をつけていくシーンに惹きつけられます。監督のジョン・カーニーはロックグループのベーシストとして活動していた経歴の持ち主で、『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』に続く本作は彼の“音楽映画3部作”の最終章。そして一番自伝的要素の強い本作の、コナーとエイモンが楽曲を創り出すシーンには、監督の強い思い入れを感じます。
「これは君の人生 どこへでも行ける」と歌う「Drive It Like You Stole It」が流れるシーンが、この映画の中で一番好きなシーンです。案の定泣けてきました。好きだった映画を久しぶりに観て、やっぱり大好きだと思うのはとても幸せな気持ちです。大好きな音楽映画。大好きな青春映画です。