ザ・キラー

デヴィッド・フィンチャー監督×アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー脚本。『セブン』『ファイト・クラブ』コンビでの久々の新作『ザ・キラー』を観ました。

長いキャリアのなかで初めて任務に失敗した暗殺者が、雇い主から消される運命に抗い、復讐の殺しを始めるというストーリー。映画は終始、主人公が今考えていることをナレーションで聞かせるのですが、それが何とも哲学的で、演じるマイケル・ファスベンダーのクールな容姿と相まって惚れ惚れ。ルーティンに体を鍛え、常に痕跡を消しながら行動する彼の一挙手一投足から目が離せなくなり、そして終盤、ティルダ・スウィントン演じる女との1対1の会話のシーンが、映画の中で最もスリリングで恐ろしく背筋が凍りました。

全編ピンと張り詰めた冷たい空気が漂いますが、格闘シーンは激しく過激!このコントラストの妙こそがフィンチャー作品の魅力です。ミュージックビデオ監督出身、彼が手掛けたマドンナの「エクスプレス・ユアセルフ」と「ヴォーグ」は大好きなMVです!