カラオケ行こ!

面白かった〜!

歌が上達しないと困るヤクザと、変声期に悩む合唱部部長の中学生との、ありえない出会いと思いもよらない展開。そんなある種ファンタジーなドラマを気楽に観始めたら、グッとくるセリフが出てきたり、異世界交流の哀しみが丁寧に描かれていたり、気付くとどんどん引き込まれて、ラストは感動!参りました!

何といっても、ふたりのやりとりの面白さ。間合いの見事さ。そしてふたりの周囲には絶妙なキャラのオトナたち、学友たちがいっぱい。キャスティングも絶妙です。

歌も主役。意地を張り合ったり喧嘩したり、いろいろあっても心ひとつに皆が調和する合唱も、普段は自分の役回りに収まってるのに突然立ち上がり「これが俺だ」と魂の叫びを響かせるカラオケも、どちらも心掴まれます。

部員ひとりだけの映画研究部が存在感を放ちます。VHSで古い映画を見るだけの活動。合唱部をサボってきた部長も一緒に。

映研部のデッキは壊れていて、ここで観る映画は、再生できるけれど巻き戻しができません。昔には戻れない自分。やり直しがきかない人生。そのことを胸に、中学生もヤクザも、合唱に、カラオケに、全身全霊で挑む姿がかっこいい!