至福のレストラン / 三ツ星トロワグロ

朝市での活気ある会話とさまざまな野菜調達、メニュー会議ではシェフが本日初提供するアーモンドソースのレシピ説明・・・冒頭数分で五感のすべてがワクワクと騒ぎだしました。フランスの三ツ星フレンチレストラン「トロワグロ」の、料理と、料理人たちのドキュメンタリーです。

素材、ソース、下準備、盛りつけ。映し出される料理の過程のすべて。でも、テーブルに置かれるまでで終わり。客が食べているシーンは殆どなく会話を聞く程度。料理が主役という見せ方のこだわりを感じます。

そして、料理人たちのプロフェッショナルな仕事ぶりのカッコ良さ!!インタビュー記事で監督は「厨房で彼らはダンスを踊るかのように動いていた」と表現しています。もう、惚れ惚れ!!

中盤のクライマックスは、ある驚きの食材が驚きのトラブルで使えなくなりそうになり、本日のメインメニュー完成危うしという場面。料理はサスペンスです。また、料理は自然と関わっていくもの。料理は伝統を受け継ぐもの。だから、料理を追及すると現代のさまざまな問題も見えてきます。

上映時間4時間!無駄なものが一切ない豊かな映画を完食した満足感に浸りました。しそが“素晴らしいジャパニーズ・ハーブ”と称され、大活躍するのが嬉しかったです。

(2023年/アメリカ/製作・監督・編集:フレデリック・ワイズマン)