世界規模のショッピングサイトから配達された段ボール箱が爆発する事件発生。真相解明の怒涛の4日間が描かれる、“物流”を題材にしたクライム・サスペンスです。
生活の便利さの裏側を見せられ、事件の核心に迫れば迫るほど、日本の現代社会の“ゆがみ”を突き付けられます。企業の組織体制、社会的格差、そして「2024年問題」。この映画そのものが“自分ごと”になっていく瞬間は、社会派ものとして、外国映画では味わえない緊張感がありました。
ラストマイルとは、お客様に荷物を届ける物流の最後の区間を表すもの。本作の主人公は満島ひかり演じるショッピングサイトの関東センター長ですが、この映画タイトルを担うドライバー親子が裏の主役。ふたりの人情ものとしてグッと心を掴まれました。
「アンナチュラル」「MIU404」とヒットドラマを生み出した塚原あゆ子監督×野木亜紀子脚本×新井順子プロデューサーが、映画で初タッグ。ドラマ2本のメインキャストも事件解決に尽力するかたちで登場します。ヘビーな題材を扱う3人のチャレンジ精神と信念が凄いです。今後も題材へのこだわりを貫いてほしい!痛みと救いを見せてほしいです!
(2024年/日本/監督:塚原あゆ子)