人間のために作られたアシストロボットのロズは、不慮の事故で無人島に漂着。見たことない姿形のロズを、島の動物たちは「怪物」と呼び敵対視。ロズは自ら工場へ返品依頼の信号を発信しようとしますが、親を亡くした雁の子どもが卵から孵る瞬間に立ち会ったことで、子どもが巣立ちの日を迎えるまで見守ることを決めます。
ひな鳥の子育てに関しては全くプログラムされていなかったロズが、仲間の助けも借りて立派な親になる姿に胸を打たれますが、ひな鳥キラリの、親がロボットだという理由で仲間外れにされながらも困難も厭わず、努力して大きく成長する姿が、もう、健気で、立派で!
そしてこの映画は、キラリの巣立ちの日を見届けた先に、「共存」という、もうひとつのテーマを見せてくれます。
メッセージ性が強い映画ですが、それが素直に心に響くのは、とてもシンプルな考え方で物事が解決していくから。多種多様な動物たちが縄張り意識で敵対する状況が、ある動物のたったひと言で変わったりするのです。現実は、シンプルなことを複雑にしてしまっていると気づかされます。
温かくて、美しいアニメーション映画です。
(2024年/アメリカ/監督:クリス・サンダース)